カテゴリ:口伝 ~代々伝わる建具職人の心~( 33 )

<第33回>「180年の杉」

先日、とても嬉しいことがありました。

キッチンのリフォームを計画していて、杉の建具を作る予定のお客様が
シンクの色を決めるためショウルームへ行ったそうです。


その際、杉のサンプルも持っていって、杉に合わせてシンクの色を決めたとの事。


「やはり180年の杉の力はすごいね。杉をメインにキッチンの色を決めたよ。」とお電話がありました。


話を聞いた杉が大好きの社長もニコニコして嬉しそうでした。


180年前というと、大河ドラマ「花燃ゆ」の高杉晋作が活躍した時代で・・・・
そんなに前から新潟の山で、雪や雨風に耐えて生きてきた杉。
そして、180年もの間、代々大事に手入れをしてきた杉です。


しかし、杉は木目がはっきりしていることもあり、合わせずらい素材
と言われることも多いのです。


そんな中、「まず杉ありき!」でコーディネートして下さるとは本当に
嬉しく、私たちも勉強になる出来事でした。


by takahashi-tategu | 2017-02-08 11:29 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)

<第32回>「出前授業」

日、新発田の七葉小学校にて「出前授業」をしてきました。


四年生の総合学習の一環で「働くということ」について
市内の洋菓子のドルチさん、花のみどりやさん、そして高橋建具の
3名がゲストティーチャーとしてお話しました。


少し紹介します。

(ブログより)

質問タイムもあり、

「どこが一番難しいですか?」 という問いに、
「とても細かいところ。小さな部分だけど、
そこを丁寧につくると全体を見たときにも綺麗になるし、
そこをおこたると、 全体を見たときになんだか不格好になってしまうんです。」
と、応えていました。


そして最後。
「1日1日の積み重ねが大事。 我慢強く努力していれば、その分自分の力になる。」
と伝えました。



イタリア菓子店さんはもの作りの楽しさを、花屋さんは花が持つ人を幸せにする可能性を
生き生きと話されていました。



どの職でも大切なのは、整理整頓、継続すること、人を思いやること... と、
人生において大切なことばかりだなぁと感じました。




by takahashi-tategu | 2017-02-08 11:27 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)

10月の市民茶会にむけたお稽古がはじまりました。
先生から「一手ぬけた」と言われることも多いのですが・・・


建具の世界でも「その一手の有り無しで出来上がりが全然違う」
という事があります。


例えば、墨付け(材木に印をつける作業)の際、鉛筆ではなく
白引き(しらびき)という先端が刃物になっている道具を使います。


その刃をよく切れるように研いで、刃先が墨をつける外側に向けるようにします。

四角の穴を掘るときは、向かい合った線は刃を返して墨付けします。
そうする事で刃が外向きになりすっきりきれいな穴になります。


その「刃を返すという一手が大事だ。」と社長は良く言います。


そんな大事な一手を9月のワークショップでもお話できればと思います。




by takahashi-tategu | 2017-02-08 11:26 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)

先月21日から24日に開催された三渓園での日本の夏じたく。
四日間に渡り沢山ご来場頂き、ありがとうございました。


「簾戸の楽しみ方」という講座も行いました。
社長が20代の時に作った約40年前の簾戸を表具屋さんからお借りして、
それを見ながら、簾戸を使い込む楽しさについてお話をしました。

やはり40年ものの簾戸は年月を経た重みがあり、会場でもいぶし銀の輝きを放って
いました。

長く使い込みその変化を楽しむためには、修理できる作り方である事が必須です。
簾戸の中のすだれも、修理ができるよう取り外しできる作りになっています。


では、どのようにして「すだれ」を入れているか?というと・・・・


「ためして入れています!」と社長が言うと、皆さん、一瞬きょとんとされました。


すだれを少し曲げて木枠のミゾに入れる実演をしてみると「なるほど~」という声が。


すだれが入っている桟と桟の間にすだれの厚み分のミゾがあり、まず下からすだれを入れ
上のミゾには、すだれを少し曲げて入れます。


その後、小さな釘でとめるので接着剤で固めてしまう事なく固定できます。


その後、「ためす」は方言か?という話題になり「ためすは横浜でも使います、方言ではありません。」
というご意見もあり・・・


辞書で調べたのですが、「撓ます(たわます)」という意味でしょうか。
ただ、その意味だけではなく、木を組む際、木の固さ等を加減しながら作業する時も使うので
力を加減しながら、「試しながら」・・という意味かもしれません。

きっと、色々な職種、会社において微妙な動作を伝える言葉があるのでしょうね。
面白いですね。




簾戸を通る風は何故涼しいのか?

簾戸をつけて下さったお客様から、
「簾戸を通る風は涼しく感じるわね。」と言って頂く事が
多いのですが、その理由を説明出来ずにおりました。


先日、「きっと簾戸もそうだ!」と思うことをテレビで見ましたので
ご紹介します。


温泉の源泉は温度が高く、それを下げる為に原始的な方法であることを
しています。それは何でしょうか?

というクイズ。


答えは、「竹に源泉をかけて温度を下げている。」でした。

沢山枝のある竹は、表面積が多くそこを通ると温度を奪われて
お湯が冷めるそうです。


簾戸も、竹や葭などの何本もの細いものの間を風が通りぬけて
涼やかな風になるのですね。


俳句に「葭障子 細身の風の 来たりけり」(草間時彦)
があります。

細身の風。なんとも心地よいぴったりな言葉ですね。 


by takahashi-tategu | 2017-02-08 11:23 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)

今回のメルマガは白雲邸での講座についてお知らせします。

日本の夏じたくにて「簾戸の楽しみ方」の講座を開催します。

21日(木)15時~16時 22日(金)~24日(日)11時~12時 40年以上前に社長が作った簾戸をお客様よりお借りして、
それを見ながら「簾戸を使い込む楽しさ」を 鉋掛けや、組み立ての実演も交えてお話します。

喫茶のVivoさんの茶菓子付きです。 美味しいお茶とお菓子でちょっと一休みしながら、社長の話、実演を是非ご覧くださいませ。

お電話0254-22-6450FAX 0254-22-7096メールinfo@kimajime.co.jp にてご予約下さい。

白雲邸は少しわかりづらい場所にあります。 大きな門をくぐり、さらに建物の前の門をくぐったところにあります。
by takahashi-tategu | 2017-02-08 11:19 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)

堀商店さんは、弊社社長も職人さんも大ファンでワークショップ開催は夢のようです。
ご厚意に心より感謝申し上げます。


堀商店さんのホームページよりご紹介します。
http://www.hori-locks.co.jp/company.html


東京は新橋。近代的なビルが建ち並ぶ中、スクラッチタイル張りの重厚なビルが見えます。
堀商店の店舗です。
そこでは120 年以上にわたり、私たちスタッフがお客様との語らいを通して<本当に良い物>を提供しています。
堀商店は1890 年(明治23 年)に創業しました。

(中略)

以来100 年ちかくにわたり堀商店では錠前、建具金物を中心に数々の独自性のある革新的な製品を開発しています。

(中略)

錠前は人々にとってかけがえのないものを守るために考え出されました。
そしてそれは何十年にもわたり使われていきます。
私たちはお客様に安心して末長く使っていただけることを第一に考え製品開発を行っています。


「安全性が高く堅牢なこと」、「質感のある重厚なデザイン」、
堀商店が一貫して守り続けている製品開発における理念です。
丈夫で長く使え、重厚で美しく、使い込むほどに味わいを深め、毎日の暮らしを豊かにしてくれる。
これが堀商店が考える<本当に良い物>です。



建具に堀商店さんの鍵や、取手を組みこむ時、質の高さにいつも驚きます。
また、建具の修理におじゃまして何十年も使った取手を見ると、いい感じになっていてしびれます。


錠と鍵の違いとは?

「鍵をかける」と言いますが、正確には「鍵で錠をかける」 です。 鍵穴に差込み施解錠する道具が鍵、鍵穴がある側が錠です。
前回の堀商店さんでのワークショップで教わりました。



by takahashi-tategu | 2017-02-08 11:17 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)

2月のワークショップのテーマは茶室建具でした。


前日まで徹夜で茶室について調べ、資料を作ったのですが、
社長が途中から全然違う話を始めて、資料の出番はなく・・・
残念でしただ、いい話でした!


そこでの話を少し紹介します。



「茶室建具というと、特別なイメージがありますが、そんなことはなく
茶室には障子もあり襖があり板戸がありますが、住宅にも障子があり
襖があり板戸があります。」

「建築の方は詳しくないのですが、茶室は、そんなに大きな建物ではありません。
そこに普通の住宅の建具を持っていったらバランスが悪いですね。
その繊細さにあった建具、あえて茶室建具というならそんな建具の事を言うのだと思います。」



「部材の寸法が1mm違うと、イメージが全く変わってきます。
1mmを大事に考えると、その場にしっくりした建具ができるかと思います。」
「建具を考えるとき、本当は原寸が理想です。私は1/10で書いていますが、
CADは使えないので、ドラフターで書いています。」

(手書き派の参加者の方がいて、社長と意気投合しまていました。)



「すべて一律で考えずに、背の高さや茶室の雰囲気で調整していくと良いと思います。 」



何度も何度も現場に行って、そこで感覚を身につけるしかないのだと痛感しました。



茶室の鴨居ミゾについて

以前、住宅の建具の厚さは鴨居や敷居のミゾで決まるという
話を紹介しました。

普通の住宅は、溝が21mm島が12mmで建具の厚さが30mm。

それに対して茶室は、溝が15mm島が12mmで建具の厚さが24mm。
または、溝が15mmで島が9mmで建具の厚さが21mmとする事が
多いです。


現場の職人さんたちは尺貫法で呼び

溝15mm・島12mmを4/5(よんごう)(4分と5分)
溝15mm・島9mmを3/5(さんごう)(3分と5分)

といいます。

by takahashi-tategu | 2017-02-08 11:14 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)

先日、神戸の竹中大工道具館へ行ってきました。


大学の教授で茶室の本も沢山書いていらっしゃる
中村晶生先生の講演「日本の伝統建築の真・行・草」と
先生と大工の升田志郎棟梁の対談を聞くためです。


会場は熱気にあふれ、作業服を着ていなくても大工さん
だとすぐにわかる眼光鋭い大工さんも大勢来ていました。

立ち見の方も大勢で会場に入りきらない程でした。




今回の口伝のコーナーは、そこでの話を少しご紹介します。


「草のパラッとした表現をするのにいかに技と感性をそそぐか?」


「真があって行があって草がある」


文字も楷書があって行書があって草書があるように
茶室だけ勉強しても駄目。基礎をしっかり学ぶ事が大事。


先生の推測との前置きがありましたが、利休は自分で墨付けも
できて柱の木割もわかっていた。その上で木割という比率ではなく
不特定の草の空間を作りだしたのではないか、との事でした。


中村先生の本は会社にもあり読んでいたのですが、
ご本人からお話を聞くのはまた格別でとても濃い時間でした。


by takahashi-tategu | 2017-02-08 11:12 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)


「同じ形でも違う」

普通の障子、同じように同じ形で作っても違ってくるのです。


どこが違うのかはっきりとは言えないのですが、佇まいが
違います。

その違いは、社長いわく・・・

「こしらえる時の気持ち」なのだそうです。

長くきれいに使って欲しいな・・・と思いながら作ると
ここはもう少し丈夫にしよう、とか、仕上げる前に
鉋の刃を研いでおこうという事になるそうです。

この気持ちを大事に、来年も精進しようと思います。
by takahashi-tategu | 2017-02-08 10:54 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)

ためして入れる

新潟の方言かもしれませんが、加減をみながら組むとい意味で、
社内でよく使う言葉です。


先日、岡山からのお客様より、香川の美味しいうどんの話を
聞きました。


香川で美味しいうどんのお店では、
湿度やお天気でやり方を微妙に変えているそうです。
これは、建具も一緒でしょ?と。
社長も大きく頷いていました。


マニュアルはなくて、
失敗を繰り返して、感覚で覚えていくしかない。
建具を組むときも、木を触りながら、ためして入れる。


どの世界も同じですね。

by takahashi-tategu | 2017-02-08 10:52 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)