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【茶室】 襖 引手の高さ 



茶室の茶道口は、紙を両面くるむようにして張る「太鼓襖(たいこ)」がよく使われます。


引手(手のかかるところ)を、紙を切り込んで作る「切引手」にしますが、
この「切引手の高さ」について、茶室を作る時、悩まれる方が多いようです。


いくつかの流派の茶道口を作らせてもらいましたが、4つの方法がありました。

①両方塵落とし
②塵落とし・塵受け
③同じ段に塵落とし・塵受け
④同じ段に両方塵落とし

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引手の高さは、図のように襖の下地になる「骨組み」で決まります。
小間の茶道口の一般的な大きさは、巾2尺2寸、高さ5尺。
下地として、縦2本、横13本の骨組みをします。
均等に割り、5段目が席側、6段目が外側(水屋や廊下)とする事が多いです。(5から7段目の間)

何ミリというように高さが決まっているわけではなく、骨組みの何段目か?で高さがでます。




斜めに切ってある方を「塵落とし」、水平になっている方を「塵受け」と呼んでいます。
その組み合わせと、位置関係で4通りあります。


どれが正解というのはなく、「おすすめは?」と聞かれた際には、
「先生と同じ方法が良いようです」とお答えしています。

目が慣れていて、しっくりくるからです。




①の両方塵落とし 施工例
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↑席側5段目



 
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↑外側6段目




②の塵落とし・塵受け 施工例
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↑席側5段目 塵落とし



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↑外側6段目 塵受け




大きめの茶道口もあります。
その際には、引手の大きさを勘案し、骨の本数を決めます。


また、引手を小さくする場合もあります。
「引手部分の下地」に小さく形を作ります。


この「引手部分の下地」について、次回ご紹介します。


(以前書いたブログを修正し、再度アップしました。
前回はあやふやな点も多く大変失礼しました)



有限会社 高橋建具製作所




by takahashi-tategu | 2019-09-14 15:18 | 茶室・茶道 | Comments(0)