2015年 03月 26日
建具ワークショップ 建具に使う材木① 材木の種類
3月の建具ワークショップのテーマは、「建具に使う材木」でした。
紙を使った作家さんや、インテリアコーディネータの方、大学生・・・・と
皆さま、ご参加ありがとうございました。
以下、ワークショップの記録です。
まず、材木の種類について。

黒っぽいものがウォールナットです。
洋間のドアに使います。高級感があり固く、塗装の仕上がりも良いです。
重く狂いやすいのが難点です。
こげ茶色の木目の細かい木がタモ。北海道のタモです。
固くて色がおしゃれで、洋間にも和室にもあいます。
木痩せをおこしやすく、組むと口があいてくるのが難点です。
少し黄色っぽい木は、米ヒバです。
木目のつまりもよく、狂いにくく、建具には使いやすい木です。
水に強く、外部にもつかえます。
(紙すきをする参加者の方が、紙すきの道具を米ヒバで作ったと言っていました。)
白っぽいのは、スプルスです。
やわらかく建具を作るとき加工しやすい木です。
和室の造作材が白っぽい時(ヒノキなど)、合わせやすいです。
少し赤みのある木は、米松です。
長く時間がたつと、もっと赤みが強くなりいい色になります。
難点はヤニです。必ず脱脂が必要。
ただこの脂気が水に強く、玄関など外部の建具に向いています。
少しくすんだ黄色っぽい木は、青森ヒバです。
現在とても少なく、貴重な材料。
水に強くお風呂に使います。
建具では、玄関に使い、千本格子にするとこの渋い色がいい感じで
落ち着いて高級感のある仕上がりになります。
白っぽいものは、ヒノキです。匂いでわかると思います。
これは木曽ヒノキで国産材では最高級の材料です。
次の少し赤っぽい材料はサワラです。
色がきれいで、昔は沢山流通していてよく使いました。
難点はヤニです。小口からヤニが出て敷居につき開閉がしにくく、
障子やガラスが入った建具ですと、そこにヤニが染みのようにつく事もあります。
次は、この3つ。
実は全部杉です。
1つ目は、天杉と呼ばれる秋田杉の200年から300年の杉。
国有林がほとんどで現在伐採禁止になっているため、流通量が非常に少ない。
やはり、杉の王様の風格があります。
2つ目は、新潟の杉です。
秋田杉に負けないほど目がつんでいて、200年くらいの杉です。
今は、少し黒っぽいですが、時間がたつと淡いピンク色になり非常にきれいです。
私は、地元の木のいうこともあり、この杉が一番好きです。
木目がちょうど1分(3mm)ほどで、遠目がきいて、とてもきれいです。
私のように木目好きなに人は、天杉ほど細かいものより、おすすめです。
3つ目は、150年ほどの秋田杉です。
今、沢山流通しているのがこの杉です。
天然の杉もあるし、植林もあります。植林だって人が植えたというだけで、
良い杉ももちろんあります。
天然だから良いとか、植林だから劣るとかいうことはありません。
実際見て、良いと思うものを選びます。