2012年 12月 04日
本襖⑤ 蓑張(みのばり)
骨縛がおわり、完全に乾いたら、次は
丈の短い薄手の和紙(石州紙)を張り重ねます。
今回は、3枚張り重ねる 『三偏蓑(さんへんみの)』
という上等な襖の方法です。
上と縦だけノリをつけて、下をとじてしまわないで、
ペラペラ動く状態で、重ねていきます。
これで、空気を含んだフンワリした本襖の醍醐味である
あの優しい質感がでます。
↓こうやって、1/3づつ、づらしながら張り重ねていきます。
この仕事をしている時、相馬表具屋さんから興味深い話を聞きました。
『清水園の庭を作った田中泰阿弥さんから、うちの死んだ親父が教わったことがある』
庭師の仕事だったけど、庭は庭だけじゃなくて、部屋の中
まで含めて全体で庭だからと、茶室にもとても詳しかった
そうだよ。』
この田中泰阿弥 さんというお名前、最近、新発田の冊子
街角こんぱすで、吉原写真館さんが紹介していたばかり
だったので、感慨もひとしおでした。
吉原さんの文章を見ると、昭和32年に清水園の庭が完成した
そうです。まだ最近といえば、最近。
その教えを、相馬表具屋さんで私が聞いている・・・・とても感動
しました。
清水園と、田中泰阿弥さんについてはこちらをどうぞ。
http://hoppou-bunka.com/shimizuen/taiami.html#hajimeni