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本襖⑨ べた張り

三枚蓑をかけた後の作業は、


『べた張り』 です。


ノリを全面につけた紙(クワチリ)を、蓑をかけた上に張る作業です。



蓑紙の上に張ることから、『蓑押え(みのおさえ)』 とも呼びます。


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↓全面にまんべんなくノリをつけて


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↓張っていきます。


下にペラペラの固定されていない薄い紙が3枚も


あるのに、こともなげに、さっさっと平らに張っていきます。


すごいですね。



(すごい、すごいと言っていると、正吾君が、クワチリ紙にノ


リをつける方が難しいよ、と教えてくれました。


まんべんなく薄く、しかも、はげないようにノリをつけるのは


慣れが必要だそうです。)


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この張る作業、


ハケで 『つきなでる』 ようにします。



『つきなでる』 とは、 ハケで、つっつきながらなでる


という意味です。



確かによーく見ていると、ハケでトントンとつっきながら、


張っています。  このハケを『打ちハケ』 といいます。









↓段階別の3枚


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左:べた張りが終わった直後


中:昨日、べた張りしたもの


右:まだべた張りしていない三枚蓑のもの






昨日べた張りしたものは、ノリが乾いて、ピンと紙が張って


下の蓑張りの紙の線が消えて平らになり、とてもきれいです。




これは、蓑張りのとき、ノリを上だけつけているからです。


ノリを下までつけると、ノリの分厚みがでて、線が出てしま


います。








↓何枚も紙を張り重ねているのに、フチの厚さは木の


厚さのまま。


最初の下地のとき、勾配をつけておいた為。

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↓触ってみると、おお~!


と声がでてしまうほど、しっかりしている。

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蓑張りの時は、ただ、紙を重ねただけって感じで


紙は、まぁそんなもんだよな、という程度。




それが、このごく薄いクワチリ紙を、ノリをつけて


張ったことで、まるで皮を触っているような、弾力が


あります! すごい!






相馬表具屋さんいわく、



『べた張りすることで、一体化されたからじゃないかな。


和紙は、10+10=20じゃなくて、もっと100くらいの


重ねると相乗効果がでるのがいいよね。』




和紙の力と、それを生かす職人の知恵、


素晴らしいですね。










by takahashi-tategu | 2012-12-12 09:08 | 職人の仕事 | Comments(0)