今から13年前、私が高橋建具に入ったばかりの時の話です。

社長より、「にちょうけーしき、買ってきてくれ。」
と頼まれて、近所の道具屋さんへいきました。


「にちょうけーしきは、どこですか?」と聞くと、お店の人は???。

「刃が二つあって、指にはさんで使うものです。」と、ジェスチャー
を交えて説明すると「それって、け‘ひ’きでしょ?」とお店の人が言って
大笑いになりました。


社長や職人さんは「ひ」を「し」と発音するんですね。
しかも、何故か、けとひの間を伸ばして、けーしきと呼びます。

漢字で書くと「二丁毛引き」。

印をつける時に使う道具で、刃が2つ出ているので、一度に2本
線を引くことができて便利です。


今年入った若い職人さんが、社長の訛りを、繰り返してそのまま
言っているのを聞いて、思い出した出来事でした。


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# by takahashi-tategu | 2017-02-08 10:43 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)

以前、鉋の裏金の話で紹介させてもらいましたが、
鉋の裏金を調正するのに、線路のレールの切れ端を使います。

裏金の立ち上がりをつけるのに、ちょうど良いのです。


この線路のレールのように、本やインターネットに載っていない
事が、職人の仕事では沢山あります。

例えば、刃物を研ぐ、研石は、研いでいると、まん中がへこんで
きます。それを平らに直す道具。

何だと思いますか?


セメントのブロックです!
普通に塀に使われているブロックです。
あの固さと、目の荒さが、最適だそうです。

お宅の研石も、ブロックに水平にこすってみて下さい。
平らになります。



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# by takahashi-tategu | 2017-02-08 10:41 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)

<第17回> 「垢ぬけ」

先日、東京で新発田出身の画家の方とお話をする機会がありました。

私が、新発田の人は、きれいなものへのこだわりが強いように思うという話を
したら、その方も、そう思うと言っておられました。

新発田は、昔から画家や、工芸作家、職人が多くいる地だそうです。
その中で切磋琢磨されたのでしょうか。小さいのに不思議な町です。


障子が2つあって、一見同じように見えるのですが、「こっちがいいね。」という感覚。
新発田で仕事をしていると、職人さん同士や、お客様との会話でよく耳にします。

社長が大事にしているのも「垢ぬけ」というところ。

建具が垢ぬけするには、隅々の納まりや、部材のちょっとした1.2mmの寸法etc・・。

そこには、技術はもちろん、「こっちがきれいだという感覚」も継承していかないと垢ぬけした建具はできない。

少しづつ、何となく・・・、違いがわかりはじめてきた今日このごろです。


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# by takahashi-tategu | 2017-02-08 10:39 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)

<第16回> 「猿錠」

前回、猿の頬のようにキューっと勾配の強い猿頬面についてご紹介しました。
猿つながりで、今回は「猿錠」です。

昔、便所などに使ったの木の鍵、あれを「猿錠」といいます。
ニュッと猿の手のように伸びるので猿錠。

職人さんは、鍵の持ち手のところを、こっそり瓢箪の形にしたり
します。お客さんが、喜ぶ顔を見るのが楽しみなんだそうです。


ちなみに・・・・
「猫猿」という、木の鍵もあります。猫なのか?猿なのか?

おそらく、猫のように運動神経の良い猿という意味で、
鍵がかかる場所まで上にあがっていて、ストンと落ちるタイプです。
雨戸によくつけます。


昔の人のネーミングって、面白いですね。


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# by takahashi-tategu | 2017-02-08 10:37 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)

<第15回> 「猿頬面」

猿頬面、職人さんは「さるぼおめん」と呼んでいます。


猿の頬のように、キューっと勾配のきつい面の事です。だいたい60度くらいです。

この面をとると、正面から見た時、桟が細く見えます。
18mmの桟でしたら、12mm弱くらいに見えます。


建具の桟の他に、天井の竿縁など、繊細に見せたい時に使います。


猿頬面をとると、横桟と縦桟との取り合いが難しいので、
「さるぼおとるのか~」と、職人さん泣かせの面です。


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# by takahashi-tategu | 2017-02-08 10:35 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)