次は、木を組むためのホゾ加工をします。






その後、ホゾが入る穴を掘ります。



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この手順がちょっとしたコツで、


穴を後で掘ることでぴったりホゾが入るように加減する事ができます。

穴を掘りつつ、先に作ったホゾを入れながら、もうちょっとかな~?とやっていきます。








ここまで、ちょしこもっこしてきたので(木を色々加工してきたので)


木の表面に細かな傷がついています。






この段階で、たーっぷりの水をひきます。




そして乾いて木が膨らんだ状態で、もう1度穴をよくきれるノミでさらいます。


そうすることで、接合部が本当にきれいにピシっとなります。


しかも、後々もさもさにならず、いつまでもきれいな表面になります。



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そして、仕上げ鉋をかけ、面取りをします。





ここまでが部材の加工です。


ここまでの下準備が非常に大事で、時間をかけて一手間を惜しまずやることで


すかっと垢抜けた簾戸になります。




簾戸のようなシンプルな建具であればあるこそ、大事なのかなと思います。








後は組んで、すだれを張っていきます。


その際きれいに仕上がるコツは、すだれが入るミゾを深くしすぎない事。


すだれを短めに編んでもらい、少しひっぱるようにとめる事です。




この少しの加減が、やはり垢抜け感に大きく関わってくると思います。


この加減は、すだれの素材にもよりますので経験からなんとなくわかってきます。




あまり短くすると、すだれを編んでいる糸に負担がかかり、痛みが早くなってしまいます。








丸の竹を入れる簾戸も多いですが、この竹はどのように入れているかというと、


竹の穴に木でコマをつくり、そのコマにホゾをつけて組んでいます。




竹の穴は一定ではないので、それに合わせて1つ1つコマをつくるので、


傍から見ると、とっても地味な作業です(笑)










最後に参加者の皆さんからの質問と感想です。




1、簾戸のメンテナンスは?  


→ はたきが一番です。 建具に負担が少なく埃がとれて、不思議と艶がでてきます。






2、部材に水を引くと言いましたが、障子の桟はどうしますか?


→うちの会社では、障子は桟の厚さを決めた時点で水を引きます。


仕上げて、面をとり、その後、桟の細かな加工をします。


簾戸とは手順が違います。障子の桟は細いところに加工をするので欠けやすい。


やってみて、この手順の方がきれいに仕上がると思ったのでそうしています。




それぞれの店でやり方が違って良いと思います。


素材も違うかもしれないし、使う道具が違うかもしれないし、これが正解ということはありません。


自分でやってみてスムーズできれいならそれでいいと思います。






3、鉋の台に埋め木をしているのを見たことがありますが、何の為ですか?


→刃と裏金があきすぎる時、そうやって調整しています。


1㎜くらいで本当に驚くほど、刃の感じが変わります。








4、仕上げ鉋と普通の鉋の違いは?


→販売している鉋で多分、仕上げと普通の違いはないと思います。


これは使っていて自分で決めています。


この鉋いいな~というお気に入りを仕上げ鉋にします。






5、竹を入れるほぞ穴は、何故45度に傾いているのですか?


→墨をつける回数が減るからです。


45度なら、縦に中心1本と穴の入る中心に横線をつけていけばいいだけなので楽です。








最後のほぞ穴の墨付けの所で、参加者の方がとても感心していました。


1つ1つの作業に意味があるのだと、改めて思いました。




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by takahashi-tategu | 2015-07-15 14:38 | ワークショップ | Comments(0)

7月11日(土)は、新宿の住まいのオーダーメード館にて建具のワーショップでした。



7月のテーマは 「簾戸」



社長が、簾戸ができるまでの工程を細かく説明しました。



ホームページで大まかに説明している工程は・・・



① 材木の買い付け


② 木取り


③ 削り


④ 墨付け・ホゾとり


⑤ 組み立て・すだれ張り



です。




簾戸が完成するには、建具屋だけでは出来なく


材木屋さん、すだれ屋さん、彫師と沢山の人の手がかかります。



材木屋さんの中でも・・・・


木を育てる人、伐採する人、山からおろす人、製材する人がいますし、



すだれ屋さんの中でも・・・


すだれの材料となる素材を育てる人、刈る人、乾燥させる人、選別する人


編む人がいます。 




同じ人が、作業を兼用する場合もありますが、多くの人、時間が費やされています。






杉や、萩や竹など、自然のものを美しく仕上げるには、


長年伝わってきたコツや技術が必要です。






ワークショップをしていて、美しい簾戸が出来るのは


技術や素材を大事に大事につなげてきたからであり、


しみじみ本当にありがたい事と思いました。







以下、ワークショップでの社長の話の記録です。





簾戸を作る一番はじめは、材木を買うです。



当社では、丸太を板状に製材(挽き割り)してもらい買っています。


上手な人は、歩留りよくきれいな柾目をとってくれる。



板状にしたものを、はざがけにして乾燥させます。



雨、雪で中の渋が流れて、乾燥と同時に色も黒みが減りきれいになっていきます。




次に、うちの工場で木取りをします。


挽き割りの機械で、板状の杉板を棒状にしていきます。


私は、白太と赤太の境目から割っていきます。


ここが一番、木目がまっすぐで目も詰まっているからです。



挽く際は、木の木目はまっすぐ直線ではありませんから、その木目に合わせて


少し斜めにして挽きます。


これは勘で、目検討でやるのがきれいにいきます。



何度もワークショップで言っていますが、この木取りが建具製作の中で


一番大事です。美しいすっとした建具を作るには、木取りにかかっています。


高い木も、安い木もその木の良さを最大限引き出す事を考えて、あとは


すっとした気持ちの良い建具に囲まれているお客さんの顔を思い浮かべて


やります。



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木取りが終わると、「削り」です。


木取りした材料は、丸太を挽き割っただけの荒木の状態です。


表面は、むざむざしています。




万能機という機械を使い、直角を出し、厚さをそろえます。




万能機という名前だけあり、工場で一番活躍する機械です。


丸のこもついていて、細く割ったり、ミゾをついたりもできます。





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次は、「墨付け」です。


墨付けと呼びますが、墨は使わず、白引きという道具で印をつけます。


先端が刃になっていて、印をつけつつ、木材をきれいに切断することができます。


鉛筆でやるより、正確で切り口が格段にきれいに仕上がります。


向かい合う線は、白引きを返して、常に刃先が外側になるようにするのがコツです。






白引きには、1本のものと、2丁白引きがあります。


2丁は、簾戸や障子の桟のように寸法が決まったところへ墨付けする時使います。




15㎜や12㎜など桟の大きさは決まっているので、


木のコマを挟めて、それ用に作っておきます。



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by takahashi-tategu | 2015-07-15 11:38 | ワークショップ | Comments(0)

簾戸展示会

6月6・7・8日と日本橋のブリッジにいがたにて


簾戸展示会を開催しました。



ご来場の皆様、ありがとうございました!



日本橋での展示も11年目になり


「今年も、新潟から木の香りをつれて夏が来たね。」


と声をかけて下さる方もいらっしゃって、


再会あり、新しい出会いもあり・・・の充実の3日間となりました。



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上の写真は、最終日にインテリアの仕事をしている若い女の子が二人


「簾戸の事を知りたい。」と来てくださり社長のレクチャーを


受けているところです。



社長も「若い子が簾戸に興味を持ってくれるなんて・・・嬉しいな~。疲れも吹っ飛んだよ!」


と感激していました。




今年は、彫師の酒場先生のお話会も開催しました。


御年81歳。流れるような粋な彫りは圧巻です。


弊社では、簾戸の透かし彫りをお願いしていますが、仏像や社寺仏閣の彫刻も手掛けておられます。




職人とは?



作家とは?



芸術家とは?



プロとは?



これからの伝統工芸はどうなる?



興味深い話の数々。


参加の皆さんからも、真剣な意見や質問が飛び交いました。





酒場先生のお話を少し紹介します。



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『仏師は職人から出てきたように、芸術家は元々は職人から。



職人は目に見えないところ、他人から見ればつまんないようなところを


追及するところがある。それで貧乏が多いのかもしれない。



昔は、誰かしら、売る手伝いをしてくれる人がいた。


だから貧乏でもやってこれた。



今は職人がしなくてはいけない時代になった。


作るだけではやっていけない時代になった。




日本は戦後、技術、技能だけじゃやっていけないと、むしろ技術をばかにして


効率や、見栄えを求めてきたところがある。



それで技術が廃れてしまった。


例えば・・壁を簡単に作るようになり、木舞屋や泥屋がいなくなった。



(そこで、酒場さんが東京土建の会長をしていた時、行政に働きかけて、


東京カレッジという職人を育てる学校を作ったそうです。)




最後に、伊勢神宮の修理の際、活躍した人の話をしてくれました。


東京のペンキ屋さんの息子さんだそうです。




今は、職人が少なくなってきている。


その地域の職人だけでは、新たに建てたり、修理したりできない事が多い。



それなら、このペンキ屋さんのように全国から熱意あるものが集まればいい。




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高橋建具の職人さんも社長はじめ、60歳を超えてきました。


建具だけではなく、彫りや表具や漆など、職人さんは高齢化してきて、


こんなに素晴らしい技術が途絶えるのはもったいない、と心配でした。



このお話会で、一筋の光が見えました。



日本全体で考えればいい。



職人や伝統工芸に関する団体も沢山あるので、


それぞれが柔らかく関わり、技術を教えあい、技術を提供する場を


共有しあっていけばいいのかな・・と思いました。




また、酒場先生を囲んで集まる機会を作ろう!と参加の皆さんで


盛り上がり、会場から、二次会へ突入しました(*^^*)




これからが楽しみです。


どうぞ、興味のある方は是非声をかけて下さい!


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by takahashi-tategu | 2015-07-02 08:56 | イベント・お知らせ | Comments(0)