2017年 02月 08日
<第30回> 簾戸の「すだれ」はどのようにして入れるのか?
四日間に渡り沢山ご来場頂き、ありがとうございました。
「簾戸の楽しみ方」という講座も行いました。
社長が20代の時に作った約40年前の簾戸を表具屋さんからお借りして、
それを見ながら、簾戸を使い込む楽しさについてお話をしました。
やはり40年ものの簾戸は年月を経た重みがあり、会場でもいぶし銀の輝きを放って
いました。
長く使い込みその変化を楽しむためには、修理できる作り方である事が必須です。
簾戸の中のすだれも、修理ができるよう取り外しできる作りになっています。
では、どのようにして「すだれ」を入れているか?というと・・・・
「ためして入れています!」と社長が言うと、皆さん、一瞬きょとんとされました。
すだれを少し曲げて木枠のミゾに入れる実演をしてみると「なるほど~」という声が。
すだれが入っている桟と桟の間にすだれの厚み分のミゾがあり、まず下からすだれを入れ
上のミゾには、すだれを少し曲げて入れます。
その後、小さな釘でとめるので接着剤で固めてしまう事なく固定できます。
その後、「ためす」は方言か?という話題になり「ためすは横浜でも使います、方言ではありません。」
というご意見もあり・・・
辞書で調べたのですが、「撓ます(たわます)」という意味でしょうか。
ただ、その意味だけではなく、木を組む際、木の固さ等を加減しながら作業する時も使うので
力を加減しながら、「試しながら」・・という意味かもしれません。
きっと、色々な職種、会社において微妙な動作を伝える言葉があるのでしょうね。
面白いですね。
簾戸を通る風は何故涼しいのか?
簾戸をつけて下さったお客様から、
「簾戸を通る風は涼しく感じるわね。」と言って頂く事が
多いのですが、その理由を説明出来ずにおりました。
先日、「きっと簾戸もそうだ!」と思うことをテレビで見ましたので
ご紹介します。
温泉の源泉は温度が高く、それを下げる為に原始的な方法であることを
しています。それは何でしょうか?
というクイズ。
答えは、「竹に源泉をかけて温度を下げている。」でした。
沢山枝のある竹は、表面積が多くそこを通ると温度を奪われて
お湯が冷めるそうです。
簾戸も、竹や葭などの何本もの細いものの間を風が通りぬけて
涼やかな風になるのですね。
俳句に「葭障子 細身の風の 来たりけり」(草間時彦)
があります。
細身の風。なんとも心地よいぴったりな言葉ですね。