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<第27回> 「茶室建具と普通の建具の違いとは?」

2月のワークショップのテーマは茶室建具でした。


前日まで徹夜で茶室について調べ、資料を作ったのですが、
社長が途中から全然違う話を始めて、資料の出番はなく・・・
残念でしただ、いい話でした!


そこでの話を少し紹介します。



「茶室建具というと、特別なイメージがありますが、そんなことはなく
茶室には障子もあり襖があり板戸がありますが、住宅にも障子があり
襖があり板戸があります。」

「建築の方は詳しくないのですが、茶室は、そんなに大きな建物ではありません。
そこに普通の住宅の建具を持っていったらバランスが悪いですね。
その繊細さにあった建具、あえて茶室建具というならそんな建具の事を言うのだと思います。」



「部材の寸法が1mm違うと、イメージが全く変わってきます。
1mmを大事に考えると、その場にしっくりした建具ができるかと思います。」
「建具を考えるとき、本当は原寸が理想です。私は1/10で書いていますが、
CADは使えないので、ドラフターで書いています。」

(手書き派の参加者の方がいて、社長と意気投合しまていました。)



「すべて一律で考えずに、背の高さや茶室の雰囲気で調整していくと良いと思います。 」



何度も何度も現場に行って、そこで感覚を身につけるしかないのだと痛感しました。



茶室の鴨居ミゾについて

以前、住宅の建具の厚さは鴨居や敷居のミゾで決まるという
話を紹介しました。

普通の住宅は、溝が21mm島が12mmで建具の厚さが30mm。

それに対して茶室は、溝が15mm島が12mmで建具の厚さが24mm。
または、溝が15mmで島が9mmで建具の厚さが21mmとする事が
多いです。


現場の職人さんたちは尺貫法で呼び

溝15mm・島12mmを4/5(よんごう)(4分と5分)
溝15mm・島9mmを3/5(さんごう)(3分と5分)

といいます。

by takahashi-tategu | 2017-02-08 11:14 | 口伝 ~代々伝わる建具職人の心~ | Comments(0)