2015年 07月 02日
簾戸展示会
6月6・7・8日と日本橋のブリッジにいがたにて
簾戸展示会を開催しました。
ご来場の皆様、ありがとうございました!
日本橋での展示も11年目になり
「今年も、新潟から木の香りをつれて夏が来たね。」
と声をかけて下さる方もいらっしゃって、
再会あり、新しい出会いもあり・・・の充実の3日間となりました。
上の写真は、最終日にインテリアの仕事をしている若い女の子が二人
「簾戸の事を知りたい。」と来てくださり社長のレクチャーを
受けているところです。
社長も「若い子が簾戸に興味を持ってくれるなんて・・・嬉しいな~。疲れも吹っ飛んだよ!」
と感激していました。
今年は、彫師の酒場先生のお話会も開催しました。
御年81歳。流れるような粋な彫りは圧巻です。
弊社では、簾戸の透かし彫りをお願いしていますが、仏像や社寺仏閣の彫刻も手掛けておられます。
職人とは?
作家とは?
芸術家とは?
プロとは?
これからの伝統工芸はどうなる?
興味深い話の数々。
参加の皆さんからも、真剣な意見や質問が飛び交いました。
酒場先生のお話を少し紹介します。
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『仏師は職人から出てきたように、芸術家は元々は職人から。
職人は目に見えないところ、他人から見ればつまんないようなところを
追及するところがある。それで貧乏が多いのかもしれない。
昔は、誰かしら、売る手伝いをしてくれる人がいた。
だから貧乏でもやってこれた。
今は職人がしなくてはいけない時代になった。
作るだけではやっていけない時代になった。
日本は戦後、技術、技能だけじゃやっていけないと、むしろ技術をばかにして
効率や、見栄えを求めてきたところがある。
それで技術が廃れてしまった。
例えば・・壁を簡単に作るようになり、木舞屋や泥屋がいなくなった。
(そこで、酒場さんが東京土建の会長をしていた時、行政に働きかけて、
東京カレッジという職人を育てる学校を作ったそうです。)
最後に、伊勢神宮の修理の際、活躍した人の話をしてくれました。
東京のペンキ屋さんの息子さんだそうです。
今は、職人が少なくなってきている。
その地域の職人だけでは、新たに建てたり、修理したりできない事が多い。
それなら、このペンキ屋さんのように全国から熱意あるものが集まればいい。
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高橋建具の職人さんも社長はじめ、60歳を超えてきました。
建具だけではなく、彫りや表具や漆など、職人さんは高齢化してきて、
こんなに素晴らしい技術が途絶えるのはもったいない、と心配でした。
このお話会で、一筋の光が見えました。
日本全体で考えればいい。
職人や伝統工芸に関する団体も沢山あるので、
それぞれが柔らかく関わり、技術を教えあい、技術を提供する場を
共有しあっていけばいいのかな・・と思いました。
また、酒場先生を囲んで集まる機会を作ろう!と参加の皆さんで
盛り上がり、会場から、二次会へ突入しました(*^^*)
これからが楽しみです。
どうぞ、興味のある方は是非声をかけて下さい!